シングルマザーの三兄弟国公立医学部現役合格日記

この春、二人の兄に続いて末っ子の三男が某国立大学医学部に入学。でも一番驚いているのは母親の私。なんでお前たちが現役で医学部に受かるんだ?三人三様のドタバタの医学部受験を振り返って。

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次男に教わったこと 挫折が多いほど良い医者になれるんだよ

受験生にとって一番大事なものは何でしょう?


まだ幼い中学受験生にとって、一番大事なもの


それは家族の愛情だと思います


中学受験はただの手段です

合否の結果は実はそれほど問題ではない


次男にとって悲劇だったのは

大好きで、心から信頼していたお父さんに裏切られたことです


裏切り行為がわかった後、すぐに離婚をしていれば良かったのでしょうが


受験が終わるまでと思い、離婚を先延ばしにしました


私はその間、子ども達に悟られないように必死でした


夫は、その後も当直だと言って

たびたび女性のところに泊まってきました


子どもの誕生日も、クリスマスも

そして受験の直前も


私は受験前前日のその日


夫が、女性のところから帰ってくると思うと

つらくて

冷静ではいられず

内鍵とチェーンを閉めてしまいました


夫の顔をみたくなかった

そんなにその女がいいなら

家に帰ってこなければいい


もう少し、がまんして

知らないふりを続けるべきだったのでしょう



でも、できませんでした

何もかも、限界で

私ももうどうにかなりそう

いや、もうなっていました


閉め出された夫は

リビングのガラスをバンバン叩き


気づいた三男が戸を開けます


帰るなり、激高した夫は、
勉強している次男の目の前で、すべてをぶちまけたのです


お前が離婚を受験までしないって言うから

おれはがまんしてきた

それなのに

受験がなんだ

中学なんてどこでもいいだろう

おまえのせいでおれは家でも、気が休まらない



「子供の前でなんでこと・・・」
私は、ショックでそれ以上言葉が続きません



次男は引きつった顔で自室に駆け込み


大事にしていた塾のテキストをびりびりに破り始めます
もう、受験なんかしない

ぼくがK成受けるなんて言ったから、お父さんとお母さん離婚しちゃうんでしょう」


私は次男がかわいそうで

申し訳なくて

後ろから肩を抱きかかえて一緒に泣きました



2日前にこんなことがあって、受験するのはもう無理かと思いましたが


塾の先生に励ましてもらい、次男は何とか出願した中学校はすべて受験しました


夫は受験が終わった数日後、家を出て行きました


K成中ほか、第2志望、第3志望は不合格


すべり止めのつもりだった1月校には合格し、結局はそこに進学します


2日前の悲劇がなくても、次男はK成中合格は難しかったと思います


模試などでA判定は一度もありません


塾の難関校クラスでもK成に受かったのは

常に上位だった2人だけです


次男はいつもクラスの半分から下の成績でしたから


受かった中学には

最初行かないと次男は言いました


公立に行って

高校でK成をまた目指すと


私は、次男をその中学校につれていきました


実は、いちども学校を訪れたことがなかったのです


受験会場は、幕張メッセ

もともと行くつもりがないので、説明会にも来ていません


受付の方は、事情を聞くと

校内に入れてくれました


部活の時間でした


野球部と、ハンドボール部が練習しています


広いグランドと立派な校舎


しばらく二人とも無言で

校内をぶらぶらしました


そして


ぼく、この学校で頑張るよ


次男の言葉に、私は心からホッとしました



進学した中学で、次男は友人もたくさんでき


陸上部で6年間活動し、実に楽しそうでした



大学生になってからかな

あの時のことを思い返して


「あの日、俺は何が何だかわからなくて

天地がひっくり返るかと思うぐらいショックだった」
と次男


あんなことがあっても、卑屈になることも不機嫌を通すこともなく


ますます朗らかで、陽気な青年に成長してくれました



本当にみんなに感謝です




成績は仕方ありませんが、大人の事情や家庭の環境で受験生に負担がかかるようなことは避けたい
次男のことがあってから、私が受験でいつも気にしていたのはそこです


でも、長男の時も私の入院で

子どもには負担をかけてしまいました


子どもは、家庭環境は選べません


環境はいいに越したことはない

でも、悪い条件の中にあっても、子どもはその中で生きる力をつけていきます


大人が考えるより、子どもはずっと強くてたくましいのだろうと思うのです


私は、教えられることばかりです


挫折や困難が多いほうが患者さんの立場に立てるから、いい医者になれるんだよ


子育てもいい加減

受験生の母としても落第だった私が


せめて医学生の我が子たちに言える言葉です